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Midsummer/2003

 電話口の女性は、時間を作って会って欲しい事と土地を見て欲しい事を手際よく伝える。その日に会って、土地を見に行くとそこは崖の上。陽が落ち寒風吹きさらすその日から2年。候補として上がった土地は全部で5つ。8月の暑い日、通りすがりに目にした土地に決めるまでの時間は、短かった。大きな屋敷を解体しその土地を半分に分けての売り地。ここに施主夫妻の住居、仕事場、それとプラスアルファーを設ける。

Midwinter/2003

 クライアントは、化粧品の研究者T(夫)と雑貨の輸入を手掛けているt(妻)。クライアントtの仕事に我々も同行。BALIで年末10日程一緒に過ごす。クライアントと海外に出かけるのも、これだけ連続して一緒に過ごすのも初めての経験。設計では、まずその人の事を知る事が大切と考えているのでとても良い機会。ここで過ごした時間から色々とヒントを得る。

21/Apr./2004

 定例会議後現場で縄張り確認。今回は、計画敷地に対しかなり周辺が空いている。不思議といつも感じる縄張り時の狭さが無い。隣でも建設中のためこれから数カ月は、少し賑やかになる。近隣への挨拶も済ませいよいよ本格始動。

22/Apr./2004

 縄張り確認の次の日、早速掘削開始。ボーリングデーターを元に掘削地盤深さを確定している。ボーリング調査時に採取している土質サンプルと地盤とを照らし合わせながら掘削底面を確認する。思った以上に地質の変化が有り、水位も高い。粘土質が現れ明日の天気が心配。

24/Apr./2004

 捨てコン打設。ポンプ車から直接一輪車に乗せて人力で運ぶ。天気もよく手際よく奥から順にコンクリートを流し込んでいく。この捨てコンの上に、イチブンノイチのスケールで図面を墨で書く。これがこれから作り上げていく建物の全ての基本となる。捨てコンだからといっておろそかにはできない。きちっとした平面を作ることが重要。

27/Apr./2004

 朝からの雨で現場には、15センチほどの池が出来上がっていた。捨てコン打設後、墨出しをし鉄筋を組む前に基礎型枠の外側の部分が出来上がっている状態。しかし、この池では墨を確認することもできない。粘土質の地盤なので水が引く様子も無い。捨てコン打設前に雨が降らなくてよかった。

07/May/2004

 基礎の型枠が組みあがり、配筋が済み、鉄骨の根本を支えるアンカーのセットが終わったので、検査。比較的鉄筋量が少ないので難しい配筋ではない。しかし、アンカーのセットがいい加減だとその上に乗っかってくる鉄骨にまで影響を及ぼす。アンカーの精度の検査も重要。

08/May/2004

 数カ所の手直しを昨日のうちに終わらせ、午前9時より基礎コンクリートの打設開始。天気は良すぎるほど晴れている。コンクリート受け入れ検査を終え、奥から順に打設していく。明日から天気が下り坂。湿潤養生には、もってこいだ。

11/May/2004

 基礎コンクリート打設後5日間の養生期間。この間に大きな振動等を与えるとコンクリートと鉄筋の付着を妨げることになる。また、コンクリートから水分が蒸発するのに伴い、伸縮ひび割れが生じる。それを散水することにより防ぐが、今回は雨の連続。地中梁の間に水がたっぷり溜まっている。

18/May/2004

 天候により予定以上の養生期間を取ることになった。型枠を脱型し、外周の土を埋め戻し不要な水を取り除く。地中梁が連続しているためそれぞれの房(ピット)の部分をつなぐ為の穴(スリーブ)が見える。これは、将来このピット部分を使って何か行う場合に利用する。

20/May/2004

 現場自体は、止まっているが作業は順調に進んでいる。複雑な鉄骨の詳細を詰め、いよいよ工場で加工が始まった。鉄骨のフレームにデッキプレートを乗せ、コンクリート打つ。そのデッキを丸く穴をあけたりする加工が出てくるため、実際どの程度の精度で加工が可能なのかをサンプルを作り確認。

26/May/2004

 鉄骨の柱の根本に設置するベースプレートの下、通称「まんじゅう」のセットが終わった。これがいかにきちっとセット出来るかでこの先の精度に関わってくる。ほぼ2週間現場自体の変化は、これだけ。まんじゅうが全部で11コ。

28/May/2004

 神戸の北西の鉄工所と尼崎の鉄工所へ鉄骨製品検査。鉄筋コンクリート造と違い鉄骨造は、工場の加工が多くなる。一見工場で作るため手作り感が無いように感じるが工場では、黙々と溶接工が部材の溶接を行っている。溶接工の腕がそのまま溶接跡となって出てくる。

AM/03/Jun./2004

 先日の製品検査をおえた鉄骨部材が現場に届いたのは、少し雲行きの怪しい早朝。通勤途中のサラリーマンが何が始まるのかと一瞬止まる。今日1日で建て方をほぼ終了する予定。

PM/03/Jun./2004

 この建物は、一般的な鉄骨の構造とは異なり、細い沢山の柱により細かく建物の荷重を分担している。仮にどこか1本の柱が無くなっても建物の長期荷重は持つように計算されている。それにより、柱が細く耐火被覆を必要としない。

PM/03/Jun./2004

 この建物は、一般的な鉄骨の構造とは異なり、細い沢山の柱により細かく建物の荷重を分担している。仮にどこか1本の柱が無くなっても建物の長期荷重は持つように計算されている。それにより、柱が細く耐火被覆を必要としない。

05/Jun./2004

 結局初日に全てを建て込むことは出来なかった。細かいピースが多く想像以上に組み立てるのが難しかった。4層のこの建物は、全て階高が異なり、住居の他にいくつかの要素が含まれる。上階行くに従って柱を細くしているためか、見た目非常に繊細に感じる。

08/Jun./2004

 全ての層を突き抜けてみることが出来るのも、今日が最後。それぞれの床にデッキを搬入しフレームに床を作っていく。鉄筋コンクリート造の建物と違う点。一つ一つの工程が層ごとか、部位ごとかの違い。梅雨入りした現場は、鉄骨が滑りやすく危険。兎に角安全第一。

10/Jun./2004

 デッキを敷き終えると空間が突然横長になる。デッキの割付により照明の配置を決定する。それぞれの部材がバラバラに空間を構成がちな鉄骨造の建物をコンクリート打ち放しと同じように最初から決まっている工業製品のユニットに割り付けていく。全ての機器の予定調和を目指す。

16/Jun./2004

 鉄骨にカーテンウォールのスチールフレームが取り付く。どこで継ぎ足すか、どこで建物に固定するか、ずいぶんと図面の時点で検討を重ねたモノ。非対称に割り付けられたスチールフレームの形状は、全体のバランスだけを頼りに決定されている。

17/Jun./2004

 デッキスラブに配筋と電気、上下水の配管がセットされている。特に電気の配管が鉄筋とコンクリートの付着を邪魔しないようにまんべんなく分散させている。コンクリートを打設すると全く見えなくなってしまうが、この見えなくなる直前のモノがきちっと整頓されていることが重要。この先の事をきちっと検討されている結果が、この時点での整頓をもたらしている。

18/Jun./2004

 朝からもう一度鉄筋と配管、配線を確認。午前9時よりコンクリート打設開始。鉄骨のデッキスラブのコンクリート打設なのでさほど複雑な部分も無く、4層分のコンクリートを上から順にドンドン打っていく。2層は、これが仕上げになるので念入りに鏝で押さえていく。午後2時終了。明日から天気は下り坂。湿潤養生には、もってこいだ。

21/Jun./2004

 朝から台風の影響で風、雨が強い。鉄骨の建物本体は、全くもちろん問題はないが、外部足場に張っている養生シートが風にあおられて倒れる可能性がある。朝からシートを足場に括り付ける。

23/Jun./2004

 割り付け図に基づいて工場でカットされてきたALCが丁寧に搬入された。鉄骨のフレームが出来上がって、床が出来上がって、次は壁が出来上がる。階層ごとでなく、部位ごとに出来上がる鉄骨は、どこかCADで書く図面の書き方に似ている。

24/Jun./2004

 朝からもう一度鉄筋と配管、配線を確認。午前9時よりコンクリート打設開始。ここまでは、前回の打設と同じ。今回は、ALCの立ち上がり部分。ここは多少複雑な形状をしているので丁寧に打設する。たった1.5立米のコンクリートを4時間かけて打ち上げる。細い隙間にきちっと入るよう気を遣う。

26/Jun./2004

 ゴールデンウィークにバリで発注したモノを積載したコンテナがようやく到着。今回の住宅で使用するいくつかの家具や建築部材をバリで製作を試みた。普段は単品で成り立つモノがほとんどだが、今回は建築物の一部となる。心配された精度や出来は、一部を除いてほぼ問題無し。コストを考えると十分に今後の展開が期待出来る。

30/Jun./2004

 ALCの建て込みがいよいよ開始。図面で十分に検討され随分と複雑な部分もあるが、ほとんどがあらかじめ工場でカット。それを組み立てる。随分と工業製品化された建物。しかし、どれだけ工業化されても最後現場で取り付けるのは、人の手。そこが面白い。

04/Jul./2004

 1階部分の壁が出来上がった。非対称の柱が壁が出来上がったことで一段とその差が明確になってきた。階高が5mもあると独立して建つ丸柱の太さもさほど気にならない。とりあえず、クライアントの倉庫として使うこの場所は、これで仕上げも含めて終わり。この空間を内部足場無しで造り上げられるのは、鉄骨のなせる技。

06/Jul./2004

 最上階4階。微妙にねじれている3次元曲面の屋根下地が真っ青の空を通してよく分かる。上階に来ると風の向きや聞こえてくる音が下とは違う。鉄骨とALCの壁とのわずかな隙間を利用しての設備配管が行われる。計画当初のクリアランスを1/1で確認し再検討する箇所を拾い出す。

10/Jul./2004

 クライアントと現場確認。各階の鉄部の色、壁の色等を決定。新しく買いそろえるモノの寸法やバリで製作してきたモノの配置等を確認。幾つかの異なった用途を持つ建物なので、課金システムの確認。屋根が出来上がり大分空間化されてきた。

14/Jul./2004

 内部螺旋階段のフレームが出来上がる。螺旋の動きを如何に形に表すか。運動(人の動きと視線の流れ)を反映させるために随分と検討を重ねた形。描いていたモノが形になると素直にうれしい。形になると問題が浮上する場合もある。

18/Jul./2004

 浴室廻りのブロックが立ち上がって、各部屋の間仕切りの間柱が出来上がってきた。それぞれの諸室に合わせた下地。下の階に配管等が行かないように随分と苦労した部分。これも隠れてしまえば全く分からなくなる。

21/Jul./2004

 外部螺旋階段にモルタル打設。螺旋階段が、建物から3/4円だけ外側にはみ出している。建物の外に出たり、入ったりしながら上階に上がっていく。螺旋階段の真ん中の柱は、建物の構造の一部。太い柱の廻りを階段が取り付いている。

26/Jul./2004

 内部の塗装が始まった。基本的に使う色は、3色。その3色を塗り分けていく。この部分のここまでをこの色、ここからここまでをこの色と。各部材に色のシールを貼って塗装時に間違わないようにする。

28/Jul./2004

 屋根が葺き終わり足場の最上段に立ってみる。屋根がうねっているのが分かる。このうねりが内部にも反映されている。真夏の空に突き上げているように見える。この時点で雨が漏らないかのチェックが重要。4階部分の屋根壁の一部が金属葺き。

03/Aug./2004

 建物にガラスが入り、これで空間として初めて閉じたとになる。空間が閉じたことで初めて内装工事に取りかかれる。内装工事の一部には、施主のセルフビルドの部分もある。夏休み、週末を利用し自分たちの家を仕上げていく。

10/Aug./2004

 建物内の塗装は、ローラーによるモノではなく吹き付けて行っている。養生には、手間が掛かるがこれによりムラが少なく効率よく進められる。この時点で細かいチェックを繰り返し、完成度を上げていく。

17/Aug./2004

 建物外部鉄部廻りの塗装が始まった。基本的な3色を細かく塗り分けていく。塗り分けられた鉄部に木部が組み合っていく。仕上げの段階に入ってきているので、養生にも気を使う。

19/Aug./2004

 2階のアトリエは、施主施工で壁、床の塗装を行う。前日までに養生(これも施主施工の一部)を終え、助っ人を入れての塗装工事。開口部廻りを養生しているため窓を開けることが出来ない。風通しが悪い部屋は、気温と湿度がドンドン上がる。

20/Aug./2004

 製作しているキッチンの製品検査。2.6m×0.66mのアイランドキッチン。食器洗浄機や浄水器を格納している。一体成型した天板と本体との2分割にし現場に搬入する。天板が角折りになっているため従来のモノよりも天板の薄く見える。

21/Aug./2004

 施主施工の中盤。住居部分の無垢床材のオイル塗。使用するオイルは、亜麻仁油を主体とした英国生まれの塗料。ホルムアルデヒド・トルエン・キシレンを原材料に使用していない。手に付いても問題がないので気にせず作業に集中できる。今回は、少し白顔料が含まれたオイルのため塗りむらに注意しなければならない。

28/Aug./2004

 螺旋階段の手摺りの取り付けに掛かる。踊り場が所々にある螺旋階段の手摺りを綺麗に連続させるのは一苦労。竣工まで後2週間。工事が急ピッチで行われている。決めることは全て決まっている。その通り出来ているかどうかをチェック。竣工に向けて昇華させていく。

30/Aug./2004

 内部と外部の仕上げが急ピッチで進められている。ダイニングの家具に染色、換気扇のダクトを接続、キッチンへ接続する配管の立ち上がり位置を再度調整。それぞれの工場で製作しているモノがこれからドンドン搬入され建物に加わっていく。この工場で作ったモノと現場で作っているモノとを合体させるところが一番難しい。

31/Aug./2004

 外部階段が塗装され、照明が取り付く。下から見上げると渦巻き貝の様な模様が美しい。明日いよいよ足場が解体される。足場が解体される前に外部周りが問題ないか点検。

02/Sep./2004

 内部の螺旋階段に段板が取り付き塗装される。床板に近い木目の集成材を見つけ、取り付ける方向を検討、塗装。黒い石と鉄、それに白い木のコントラストが美しい。螺旋を生かした手摺りの曲線がエッジを強調したデザインに優しさを加味する。

03/Sep./2004

 一体成型されたキッチンがクレーンで空高く持ち上げられ最上階4階の南の窓から挿入。至極当たり前だが、この開口の大きさとキッチンとの関係は、当初の計画時から考慮されていたこと。オールステンレスで製作されたキッチンの重量は、約200キロ。

05/Sep./2004

 北側の廊下、ピロティー、テラスに新たに目隠しパネルが取り付けられる。黒く染色された木製パネルと白い壁に黒い螺旋階段が1/4円食い込んでいるのが分かる。

10/Sep./2004

 シャワーフック、タオル掛け、その他諸々使う人の癖、体格に合わせた一番勝手の良い場所を引き渡し前に確認、取り付け。そして引き渡し。最初の電話から約3年。

15/Oct./2005

 建物竣工1年の間に何度となくここで食事を楽しんでいる。今日は、改めて竣工後1年の食事会。食事会をする理由は、たぶんこの先も事欠かないと思う。毎度毎度思う事だが、食事は楽しい。