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Early Spring/2010

 漸く暖かくなってきた3月初旬、僕が旅に出かける前、小さな子供を連れたご夫婦が事務所にやって来た。それから2ヶ月後、旅の余韻が冷めかけた頃、過去に設計した2つの家に二人を案内し、次に二人が住んでいる家を訪れることに。それから1年、今住んでいる家を解体する事に。のんびりしていたつもりは全く無い。気が付いたら1年も過ぎていた。おそらくクライアントの醸し出す雰囲気がそうさせたんだと思う。

24/Mar./2011

 現場に重機が入って3日目で、建物は影も形も無くなってしまった。建物を解体した時に出る廃材は、リサイクル法に基づいて仕分けされるのだが、築40年近い建物はその仕分けの分類数が驚くほど少ない。要するにリサイクルしやすい物で作られていることが分かる。もっとも解体して全てを破棄するわけではない。元々この家にあった物を別の形で使用する物もある。これもリサイクル。

04/Apr./2011

 長年住んでいた家があった場所が解体の現場になり、数日で何もない更地になり、その更地に新しい建物の形を示す縄張りが出き、地盤調査の機械が入って作業を始めて計画敷地になる。それにしても良い天気だ。地盤調査は、天気の良い日に行うのが良い。

23/Apr./2011

 地盤調査が終わり、確認申請が下り、地盤改良の詳細が決まり、契約見積もりがまとまり、3ヶ月前に立てた予定通り4月23日大安吉日に地鎮祭を行うことに。明け方に降り始めた雨は、地鎮祭が終わり契約を結び終えた時点で上がった。

06/May/2011

 測量図から再度縄張りを行う。敷地境界に迫っている部分、既存樹木に迫っている部分、既存建物に迫っている部分。どれも元々の建物がある時点で決定した離隔距離。建物が無くなって、縄張りをして改めてその距離を体感する。

17/May/2011

 敷地内に有る会所から水を流すと本当に少しずつ流れていく。前面道路の暗渠に流れていると考えていたが、どうも違うようだ。一体何処に流れていっているのか・・・。役所の台帳には、何も記載がない。暗渠に繋がる会所から頭をつっこんで水の音を確かめるが、全く聞こえない。答えは現場に有る、と思っていたが・・・。

27/May/2011

 これは、畑の畝でも巨大なチョコレートでもない。地盤改良と同時に基礎底の形状に合わせて高低差をつけたモノだ。土を扱う工程。図面では45度にカットした断面を描くが、実際の土はぼろぼろと崩れて、なかなかそううまくはいかない。というのが施工者の本音。しかし、この現場は違う。絵に描いた、図面に描いた通りに出来ている。素晴らしい。

07/Jun./2011

 事前に検討した位置に配管等を仕込むスリーブが立ち上がっている。検討する内容は色々あるが、結局将来のメンテナンス性を最優先する。防湿シートをステコン下に敷くかステコン上に敷くか改めて調べた結果、防湿シートは、あまり意味が無いことが判明。ただ、シートの敷き方でこの現場の姿勢が見えると前回の定例会議で伝えた結果がこれ。綺麗だ。

17/Jun./2011

 出来上がるとシンプルで綺麗に見えるが、しかし、実はかなり複雑な配筋。複雑なのは、配筋だけではない。型枠の形状や固定方法もかなり検討した。その結果で施工されている。コンクリートを打設すると全て見えなくなってしまうが、大切なのは、結果。

20/Jun./2011

 土台を固定するアンカーがセットされ、保険機構の検査も終了し、いよいよコンクリート打設を待つばかりだが、今日も雨。恐らく暫く雨。こればかりはどうしようもない。暫くは天気予報から目が離せない。

21/Jun./2011

 明け方まで降り続いた雨は、ポンプ車が現場に到着する頃には上がり、1台目の生コン車が到着する頃には、梅雨の晴れ間ってこういう日を指すのだろうと思う空に。週間天気予報がここまで外れるとなかなか先が見えにくい、と思っている人はこの中にはいない。プロ根性の固まりのような人たちが、慎重に生コンを流し込んでいく。

24/Jun./2011

 今日は雨は降りそうにない。気温もぐんぐん上がりそうだ。3日前に打設したコンクリートの上に、墨出完了。今日は、水廻りのコンクリート約3.5立米の打設。生コン車1台。それにしても良い天気だ。

08/Jul./2011

 基礎の型枠、浴室廻りの型枠が脱型される。基礎の型枠は、型枠の材料と型枠の固定方法等が従来と異なる。コンクリートの打ち放し仕上げとなるため、建物本体の外壁仕上げとのバランスを考えての工夫だ。セパが無く、どこか無機質でない表情のコンクリートは、なにか別のプリミティブな素材のように見える。

28/Jul./2011

 プレカット図面の承認が終わり、加工に取りかかる。もっとも建物のほとんどの部分がプレカット加工出来ない為、大部分が大工さんの手加工となる。その間、現場は設備配管等の作業にとどまる。手加工に取りかかっている間に枠詳細を詰めてしまいたい。

09/Aug./2011

 いよいよ材料搬入。今回は、徳島のプレカット工場から材木が届く。現場では、墨出し、土台を水平に据える為の床付けが完了している。基礎の型枠をばらしてから約1ヶ月。漸く白い大きな舞台での作業が始まる。

17/Aug./2011

 現場は夏休み。夏休み前に敷き込んだ土台が雨にあたらないように、基礎の上全面にブルーシートを掛けている。足場がかけられ、いよいよ建て方が始まる。

AM/19/Aug./2011

 明け方まで降っていた雨も上がり、じりじりと気温が上がっていく。いよいよ本日建て方開始。今日1日で何処まで進むか、全く検討がつかない。まず、2つのゾーンの柱を立てていく。中には120-350の大きな化粧柱も有り、クレーンの操作も慎重になる。

PM/19/Aug./2011

 寝室ゾーンの棟木と登梁は、最終的に据えるレベルから30センチ高いレベルで一旦全部組んで、それを胴差しに差し込む。仮設の柱を立て、其処での作業。これが意外に時間がかかる。寝室ゾーンの上棟のみで本日終了。

AM/20/Aug./2011

 リビングゾーンの棟木の加工。集成材を使わないので、材木の長さに限界がある。その為、途中でスチールプレートを挟み込み棟木をジョイントする。こういった加工は、プレカットでは行えない。全て現場で大工さんが手加工で行う。

NOON/20/Aug./2011

 リビングゾーンの両端から跳ね出した棟木と棟木をジョイントする。構造計算に基づいて応力がゼロとなる箇所でのジョイントだが、流石に現場には緊張が走る。

PM/20/Aug./2011

 30センチを超える棟木に30センチを超える柱、登梁が一間半ピッチでかかるリビングゾーン。寝室ゾーンとは異なるダイナミックな架構が空間を構成する。母屋までかけ終え、建物のフォルムが見えてきた。

25/Aug./2011

 交差点に例えると差詰め七辻といったところだろうか。1本の柱に6本の梁が集まってきている。もちろんプレカットではこの仕口を造ることは出来ない。現場に納まってしまうと特に何も問題無いのだが、此処に至るまではかなりの試行錯誤があった。

02/Sep./2011

 暑い暑い炎天下の青空会議室から寝室ゾーンの主寝室に移した会議室。台風直撃でも(あたりまえだが)雨も漏らず、脚立とコンパネと間柱で作ったテーブルに照明も完備されている。椅子にはホコリ一つ無い。流石の監督である。

07/Sep./2011

 上棟を終え、屋根の防水工事が終わったので御札を取り付ける。ほとんどの部屋で天井懐が少ない。大きな棟梁の下に唯一出来る懐にしっかりと取り付ける。中間検査終了。

22/Sep./2011

 出張の間に屋根が葺き終わってしまうかな・・・と思っていたが、雨が多かったのと屋根が急勾配なため、思いの外工事が進まなかったので間に合った。しかし、天窓のガラスに映り込む空は、前回現場で見た空とは確実に違う。

03/Oct./2011

 外壁の下見板が丁寧に張られていく。墨色の外壁に真鍮の釘が少し目立つが、直ぐにくすんで来るはずだ。時間と共に変化していくモノで揃えるのが良い。基礎のコンクリート立ち上がりの裾が広がっている事や、パネル割がランダムになっていることや、一般的に入るセパが無いことの理由が漸く分かるだろう。

13/Oct./2011

 天井のボードを張り始めている。多角形になる部分もある。さらに見える梁、柱と見えなくなる梁、柱が取り合ってくる。複雑な箇所、細い入り隅部分にも丁寧にカットされたボードがはめ込まれている。図面を描いていても途中でこんがらがるようなところ。分かっちゃいるけどやっぱり複雑だ。

AM/19/Oct./2011

 屋根から突き出ている煙突は、薪ストーブのモノ。棟の部分には、換気用のモノが取り付けられている。いよいよ足場を撤去する。その前に諸々確認しておかなければならない。

PM/19/Oct./2011

 巨大な鋳物工場で鋳込む前の最終打合せ。砂型の確認。さらに、今回の鋳込みでは、新たな試みをする。果たしてどのような結果が出るか。楽しみだ。

25/Oct./2011

 足場が外され建物の外観が現れる。平屋建てなのでボリューム感に驚きはないが、屋根形状から建物の全容を容易には理解し難い。

02/Nov./2011

 内部の木部が染色されていく。一見あまり染まっていないように見えるが、塗っていない所と比べると明らかに白い。登梁は木の見えがかりを細くし繊細に見せる為に、下端にスリットを開けている。金物を隠す為の埋木が楕円に見えている。なんだか少し不思議な感じがする。

11/Nov./2011

 壁、天井の左官工事が始まっている。初めて使う材料なので、まずは小さな部屋から塗ってみて様子を見る。下塗り、中塗り、上塗りと。どの程度のスピードで進めることが出来るのか慎重に様子を見ている。壁が白くなってくると一気に部屋が明るくなる。

25/Nov./2011

 洗面所には、北向きの屋根の天窓がある。光の筒が少し斜めになって1.5m程上っている。筒と天井とのコーナーが丸くカットされているので光が優しく降り注ぐ。際を変えることで光も変わる。

01/Dec./2011

 白にも色々な白がある。これは、ホワイトアッシュの突き板を白くした建具が、堅木を白く塗りつぶした枠に納まり、そこに白い漆喰が取り合っている部分。どれも微妙に異なる白だがバランスを取って成り立っている。これは、枠の白の明度を他より上げた事による予定調和だ。

04/Dec./2011

 広幅の床材が白く染色され、見えている柱と梁が白と黒に塗り分けられている。奥に見える壁には、細かい石が貼られている。素材の色と質感の違いが絶妙に取り合っている。竣工検査まであと12日。

13/Dec./2011

 天気が良い。基礎のコンクリートが少し裾広がりになっている。このほんの少しの広がりが、少し高めの基礎部分と上部の建物とのバランスを取っている。墨色に染色された外壁と同じ素材で出来ている窓が何処にあるのか分からないのは、狙い通り。

AM/16/Dec./2011

 1/1の模型を作って型紙を起こした照明器具。施主検査の前に、製作したダイニングの照明器具を搬入、取付。銅板を加工して作った照明は、直径1m近い。大人3人で持ち上げなければ変形してしまう。長い年月使っているといずれ茶褐色に変色してくるかもしれない。その変化を楽しみと捉えられるクライアントだからこそ出来上がったオリジナルの品だ。

PM/16/Dec./2011

 午後から施主検査。目を皿のようにして重箱の隅をつつくように、細かい所まで指摘して下さいと話をしてからスタート。我々建築を業としている者とは違う観点からの指摘は、非常に参考になる。なるほどなるほど、確かにそう言われてみると気になる部分だ。

AM/22/Dec./2011

 外構工事を残して建物本体の引き渡し。カバーの被ったソファーの横に座卓を置いて、床に直に座っての書類の遣り取り。床暖房が入っている床から、木の質感とほんのりとした暖かさが伝わってくる。

PM/22/Dec./2011

 午後から建物内部の竣工写真撮影。大きな気積だが厚み10センチの断熱材で包まれた空間は、外の寒さとは無縁だ。低く抑えられた窓からは、ちょうど良い光が入ってくる。引き渡しを終えたクライアントから「心地良いですね」と言われた。そうなのだ。我々が引き渡そうとしているモノは建物本体ではなく、心地よい暮らしであることを改めて確認出来た瞬間だった。

28/Dec./2011

 引っ越しが終わり一段落したところで薪ストーブ屋さんの登場。今回採用した薪ストーブは、HwamのFigaroというもの。B&OのBeocom telephoneのデザイナーがデザインしたモノ。もちろん薪ストーブ利用の別のクライアントからのアドバイスもあり二次燃焼するタイプだ。床暖房とは異なる暖かさを実感。また一つ楽しみが増えた。

16/Jan./2012

 年が明け工事再開。既に引っ越しは終わっているが外構工事が残っている。インターフォンやポストが仮設の状態だ。門扉もまだ付いていない・・・。中と外との差に少しため息が漏れる。

02/Feb./2012

 塀のコンクリート打設から約1ヶ月。漸く門扉の製品検査までこぎ着けた。ステンレスの棒を曲げ、溶接し、組み立てた立体トラスの扉。もう一息だ。

10/Feb./2012

 敷地から建物を除いた部分。敷地の周囲。其処の工事が漸く終わりに近づいた。あと残すところ1工程。いつまでも足場が悪かった通路が漸く整った。もうすぐ、着工してから1年が経とうとしている。

15/Feb./2012

 開閉式テントや門扉や駐輪場、駐車場等が出来上がり、コレで全て完了。気が付いたらほぼ1年。一体何にそんなに時間がかかったのか不思議なものだ。

02/Dec./2012

 竣工して丸1年。何組かのクライアントと共に久しぶりの訪問。玄関扉を開け中に入ると、出来た当時と全く変わっていない。唯一大きく変わったのが、1年前はまだ揺りかごの中に居たs君がとことこと歩いてやってくる。時間は確実に流れているのに、建物はその変化を全く感じさせない。愛着を持って、実に丁寧に使われていることが分かる。