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Mar./2019
 次の日の朝に訪れると言うと、夜中でも構わないから来て泊まっていけと。ゆっくりと夜を楽しもうと云う誘いに三月の最終の週末の最終の新幹線で一年ぶりに辻堂の駅に降り立った時は、すでに日付が変わっていた。すっかり地元の学校に溶け込んだ子供達は、すでに床についていたが一軒家に越して飼い始めた仔犬は、夜中の来訪者に声を出すことなく脚に絡みつく大歓迎だ。まだ、ほのかに漂う木の香りと十五年前に訪れたO夫妻の家の懐かしい設えが傾けるグラスに心地いい酔いを誘う。
 翌朝、松戸から駆けつけてくれた元スタッフK君を交えて湘南海岸を自転車で散策。それぞれが黙々とペダルを4時間近く漕ぎ続けても楽しみを共有していることを実感する。こんな時間が過ごせる人達と出逢えるのは、この仕事の醍醐味の一つかもしれない。

May/2018
 2001年の最後の週に届いたメールが最初だからもう今から17年以上も前のことになる、OKRの彼らと初めて会ったのは。しかし、その時受けた彼らの印象と今も全く変わっていないのは、きっと何も無理をせず素のままで接してくれているからだと思う。まだ独立して間もない頃にやって来た彼らとの家づくりは、色々と実験的なことも含め手探りだったのをよく覚えている。その彼らが、住み慣れた大阪から東京へ引っ越して8年、その間何度か東京のど真ん中で家をまた作ることを検討したが、結局そのどれもが何か足りずに実現することはなかった。
 2017年の最後の月の頭にかかって来た電話は、湘南の海から歩いて数分のところに一軒家を買ったという事とまた、家族のための家を考えてほしいということとそして、全てを任せるので好きにやってほしいとのことだった。
 その年の末、世間が少し慌ただしくなって来た週末、最寄りの駅に降り立つとそこは、僅かに潮の香りを含んだ冷たい風が思っていた以上に強く吹いていた。築30年を超える木造住宅の全面リフォームだが予算のバランスを考えると内部に徹したほうがいいと判断。急勾配な階段やキッチンが脱衣室を兼ね合わせた間取りなど色々と課題が見えてくる。既存建物の図面も存在しておらずまずは現況調査。そして、この時点で施工者と協働することで唯一の条件とも言える引き渡しまでの時間を短縮することに。
 一階の床には、ヒノキとラワン合板とで構成されたヒノキハイブリット合板を帯状カットしたものを使い、二階には和室二部屋を一部屋にする事で現れた垂直と水平の構造材を色の法則を決めて塗り分ける事で記号化する。そこに、長さ約3mのステンレスキッチンとそれに合わせて作ったカウンターテーブル。
 あくせくと東京のど真ん中で暮らす事よりも週末ゆっくり家族と過ごす湘南の海を選んだ彼らの家は、家族4人がそれぞれの道をこの先歩むことを考えた結果だと思う。それは、絶え間なく吹く海風に帆を孕ませ進む艇が安心していつでも寄れる港のような存在になることと思う。

Apr./2018 
 長さ3m 重さ800キロのキッチンをどうやって運び入れるか色々議論したけど結局、物が来てから考えよう、何とかなるだろうという大きな背中で話す現場監督は、最後まで大きな人だった。

Dec./2017 
 脱衣室兼キッチン兼ダイニング以外は、全て和室という家をふらりとやって来た湘南で見つけたそうだ。