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Jan./2016
 建物が出来てあっという間の11年間だった。設計を進めるのにお互いを知る良い機会だと仕事先のバリ島へ一緒に出かけたのはさらに2年ほど前か。その時のことは、今も鮮明に思い出せるし、最初の宿でもらったキーホルダーだってまだ手元にある。さほどその時から何も変わっていないような気もするが確かに髭も少しごま塩になってるし、眼鏡を外した方が近くのものも見やすいような気もする。
 そろそろ外部周りのメンテナンスをしましょう。と言うことで足場を掛けてまずは、調査に取り掛かった。

Sep./2004
 建物を建てる土地を決定するのには、様々な理由がある。土地の広さ、価格、法規制から最寄りの駅までの距離、学区など。クライアントの事業は、全国へ展開している。その事業は、ここから発信される「ココ」が重要だった。全国的にも知名度のある「ココ」が。
 クライアントは、家で過ごす時間を非常に大切にしている。これまで海外で過ごしてきた時間や、仕事で訪れるバリのヴィラでの時間のように。しかしそれは決してバリ風の建物ではない。クライアントが求めているのは、上質な時間の流れ方である。それを知るためにバリで10日間時間を共有することにした。
 知り合って2年以上経ってから見つかった30坪ほどの敷地は、法規制が緩く可能性を秘めた土地。住居と仕事場と倉庫を兼ね備えた建物を計画する。

 細い柱を細かい間隔で入れ、建物内に積極的に鉄の素材を取り入れている。長辺方向の片側を丸柱とし、壁から離して独立させ柱を並ばせた。法的なこと、構造的なこと、インテリアに関わることがバランスよく組合わさった計画である。
 1階部分は今後の事を考え、使用に制限がかからないボリュームと設備を確保。2階の仕事場のスペースは、諸室を2つに分け各層との独立を重視している。3、4階の住居部分は、生活するのに必要最低限の部屋と少し広めの玄関を確保している。それら各層を半径の異なる螺旋階段で結んでいる。
 床暖房が施された柔らかいオイル仕上げのフローリングは、素足で歩くのが心地よい。1室に配置されたアイランド型のキッチンと、それにあわせてバリで製作したチークのテーブル。所々に配置されているどこかの国の雑貨、天窓から降り注ぐ光と風、仄かに揺れるネムノキ、それらに囲まれていると、「ココ」が地上10mに位置する所だということを忘れる。手に触れるモノ、足に触れるモノ、それらが上質な時間を形成する。

 それは、記憶に残る10日間の感覚に似ている。