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Early Winter/2013

 木陰が気持ちいい季節だったと思う。あの中古車販売のCMで有名な地名、名前は知っていたが一度も訪れたことのないエリアだった。その辺りに土地を買おうとしているので相談したいとメールが届いた。二転三転して結局、小さな印刷工場付きの中古住宅を購入してそのまま住むということでその時は話が終わってしまった。
 あれから8年。当時2人だった子供が3人になり、家をなんとかしたいと再び事務所にやって来たO夫妻。それほど時間が経ったと思えないのは、当時と変わらぬこの夫妻の微笑みのせいか。約13坪の土地に家族5人が暮らす住処を建て直す。

03/Dec./2013

 解体に2週間近くかかる予定だったが、綺麗さっぱりなくなるまでは、あっという間だった。整地された更地を見ていると、無くなった建物をあまり正確に思い出せない。風景が変わっているはずなのに・・・。この状態が一番小さく見える。計画している建物が本当に入るのか?あれほど沢山の柱を本当に此処に建てるのか・・・。いつも不思議に感じる。

12/Dec./2013

 長かった。蝉の鳴き声がうるさく感じられる夏真っ盛りの頃、此処を訪れてからもう随分時間が経つ。あの日とは対角線上に位置するような今日の寒さ。この冬一番の冷え込みの中、地鎮祭が滞りなく終了。地盤調査の結果も想像していた値の1/6程度。幸先良い。

19/Dec./2013

 すぐ側に古くから流れている寝屋川があるので、地盤はさほど期待していなかった。期待していなかったからか、支持地盤の深さが3Mという値を妙にありがたく思えた。今回は、柱状改良で地盤補強を行うことに。既に2/3の改良が完了しているのだが、荒らされた畑のようでよく分からない。よく分からないが、ダンプ1台分の土が搬出され、その分の改良材が投入されている。

27/Dec./2013

 地盤改良が終わったら、荒らされた畑が綺麗な畑に作り替えられたようになった。綺麗に畦が作れるモノだといつも感心する。地盤改良が施された土は、結構硬いモノなのに・・・。防湿フィルムを敷きステコンを打ち、墨出し完了。今年の作業は、此処まで。

09/Jan./2014

 綺麗になった畑に鉄筋が組まれると一気に此処に建物ができるという雰囲気が伝わる。不思議なものだ。今回は、地盤改良をした上に変形の5角形をしたベタ基礎。ここまでは、比較的スムーズに進む。ここからが、現場で色々と頭を悩ます日々のはじまり。

14/Jan./2014

 型枠が立ち、配筋が終了したので、配筋検査。出来るだけシンプルに考えているので鉄筋の加工自体は、さほど難しくない。それを出来るだけ上質な鉄筋コンクリートの基礎にするために、鉄筋を括り付けている結束線の先端を全て鉄筋に巻き付ける。これが型枠側に延びていると厄介なことになる。全ての工程が後戻り出来ない。

15/Jan./2014

 ぞろ目のナンバープレートを付けた生コン車ばかり揃えた生コンプラント。次から次へのぞろ目の車がやってくる。比較的道路が空いているのかスムーズに生コンが届く。固めのコンクリートがフラットなベタ基礎を造っていく。そろそろプレカットも終了している頃。いよいよだ。

05/Feb./2014

 本日建て方開始。道路が狭くてクレーン車が入って来られない。全て人力での作業。1階部分は、プレカットで殆どの部分の加工が事前に済んでいる。それでも大工さん8人体制でないとなかなか進まないようだ。ちらちらと雪が舞っているが、大工さんの額には大粒の汗。力のいる作業だ。

06/Feb./2014

 建て方2日目。2階部分は、手加工の部分が多く、そう簡単に組み上がっていかない。直角では交わらない梁を組み上げてからまた外し、調整、また、組み上げる。何度も何度も。この繰り返し。建て方を見学に来た子供達は、見たこともない作業や道具、そして木の匂いに興味津々。

08/Feb./2014

 昨夜からの雪が2階の床にうっすらと積もっている。基礎のコンクリートを打設してから約1ヶ月。本日上棟。天候が悪く御幣を上げることは出来なかったが、それでもやっぱり上棟式を行って良かった。けじめがきちんとつくし、みんなの士気が、確実に高まる。さて、ここからまた長い道のりだ。

26/Feb./2014

 上棟式が終わってから約2週間。漸くココまで進んだ。非常に手間取っているようだ。今回は、登梁が薄くその間隔も狭くしている。この薄い登梁が勾配を緩く変えながらかかっている。天井の野地板を張っていないこのタイミングだと梁の影が美しい。

02/Mar./2014

 この夏、ロードバイクで淡路島を1周する大会に出場する2人。その自転車を何処に掛けるのか。ひょっとすると1つの項目では、今までの打ち合わせで一番時間を費やしたかもしれない。実物と現場を眺めながら色々と検討検討。野地板がかかり耐力壁が貼られていくと、内部の空間が少し分かりやすくなる。ブルーシートからあふれる青い光で、まるで水族館のようだ。

06/Mar./2014

 本日確認検査機関の中間検査。無事終了。この現場の大工さんは、MRHと同じ大工さん。検査員の方が大工さんが使っている墨壺をみつけ随分と感心していた。色々と話をしていると、大工さん、大阪万博のアメリカ館の現場を担当したそうだ。その時も墨壺をみつけたアメリカ人が同じように感心していたそうだ。

12/Mar./2014

 薄い登梁の施工が全て完了。部分的に面が折れ曲がっているところがあり、梁が面白いかけ方になっている。梁の奥に見える野地板もこのまま化粧で見えてくる。ラワンの優しい木目と白い登梁が繊細で優しい空間を作るのに一役買っている。この梁と梁の間にオリジナルの製作照明器具がとりつく予定。

22/Mar./2014

 薄い梁と梁との間に設けられた天窓からの光が幻想的だ。外壁の仕上げに入るため今は、窓が閉じられている。なので天窓からの光だけでこんなに明るいことがわかる。季節、時間、天候によっては、階段を通して直接この光が1階まで届く。そういう日常の変化に気がつくだろうか・・・。楽しみだ。

27/Mar./2014

 久しぶりの晴天。気温もぐんぐん上がってきている。屋根の下地も乾いたので一気に屋根を葺いて行く。多面体で急勾配。棟の高さも変化していく。一筋縄では、行かない。周りの建物よりも少し低く抑えられた深い緑色の屋根。少し控えめなところが良い。

03/Apr./2014

 屋根も出来上がったので次は、外壁工事。外壁は、左官で仕上げる。その前段階として防水フィルムの上に熱気を逃がす通気層。その外側に木下地、通称バラ板を張る。それほど懐かしい感覚でもないのは、解体されている建物で最近よく見かけるからか。未だにこの方法が一番優れていると思う。コレだけでも十分美しいのだが・・・。そういうわけにはいかない。ココは、準防火地域だから。

06/Apr./2014

 もう、引渡しまで残り1ヶ月を切った。漸く室内の様子も見えてきた。色々な部分に色々な材料で仕上げを行っていく。塗装、染色の部分の色を現場で確認する。細かく塗り分けるところ。大胆な色を使うところ。色々と説明。オリジナルの照明、オリジナルのダイニングテーブル、ダイニングチェアー。色々と説明。ココからドンドン変わっていく。楽しみだ。

10/Apr./2014

 外壁の下塗りが始まった。天候に左右される作業なので、天気の良い日は一気に進みたい。細かい部分も大きな部分も仕上がったときにバランスよく見えるようにする必要がある。その為、塗っては、離れて見て、塗っては、離れて見ての繰り返し。何事も下塗りが仕上げを左右する。左官も同じ。

14/Apr./2014

 内部の塗装下地のパテ処理中。ボードのつなぎ目にパテを入れ、ペーパーで平滑に削っていく。外部からのホコリが紛れ込まないよう窓を閉め切って、他の職人さんも入れず集中して行う。空中に舞う細かいパテの粉が天窓からの光を幻想的に捉えている。目論み通り、階段下まで光が届いているのが分かる。

16/Apr./2014

 外壁の下塗りが終わり、いよいよ仕上げに入る。今回の外壁は、細かい砂利の洗い出し。一般的には床に用いる仕上げを壁で行う。サンプルでいろいろ試してみて、いけると判断した。足場の位置が外壁面から近いので兎に角作業するのが大変だ。

18/Apr./2014

 ドンドン出来上がっていく。内部の壁の塗装がほぼ完了。天井の梁を青みがかったグレーで塗り、梁と梁との間は白色に染色した板がはめ込まれている。見る角度によって天井の色が異なって見える。ぐっと落ち着いた大人の家に仕上がってきた。

22/Apr./2014

 足場が取れ、外壁が世の中に披露された。なんとも不思議な表情だ。柔らかそうな感じにも見えるがそんなわけはない。床で使われる洗い出しを外壁全面に行っている。種石のさまざまな色が全体を柔らかい印象にしているのだと思う。不思議だ。

23/Apr./2014

 北海道から届いたニレの木。樹齢数百年。乾燥させて30年以上が経つ。芯持ちなので中央に大きなワレが入っている。もうこれ以上割れることはないと思うが一応樹脂で固めておく。

25/Apr./2014

 大分仕上がってきた。塗装も終わり、キッチンも搬入、器具付けを始めている。微妙な色の取り合わせがこの家の印象を決定づけている。時間によって色の具合が異なって見える。天井の梁と梁との間の木が角度によって見えたり見えなかったり。面白い。

28/Apr./2014

 亜鉛メッキのドブづけをしたバルコニーの設置。準防火地域なのでスチールで作ることに。防水等の事を考えるとスノコの方が良い。向かいの公園のジャングルジムとバルコニーの手摺がちょうど重なる。ここに5人分の洗濯物が旗のようにたなびく。

29/Apr./2014

 1階、2階の床オイル塗り。施主施工といいながらも工務店の監督も参加。まずは、壁際を刷毛で順に塗っていく。その後、広い面を塗る。オイルが染み込んで行くのがよく分かる。吸い込み切れなかったオイルを拭き取り、更にもう一度。たっぷり日が暮れるまでの作業。今後のメンテナンスを考えると、とても良い経験。

01/May/2014

 引渡し前日。塗装の補修等を行う。余裕をもって終わるかと思っていたが、やはり最後の最後まで、ギリギリまで時間を使って仕上げていく。納得いくまで仕上げていく。

02/May/2014

 午後9時から引渡し。書類の交付から取扱説明まで。その後各人が自然と感想を言う事に。施主、施工、設計が三位一体となって仕上げた家だからこそ自然とその様なカタチになったんだと思う。完成して嬉しい反面、終わってしまい皆に会えなくなるのが寂しいというクライアントの言葉が印象的だった。