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Jul./2017
 電車に揺られて55分、そこから歩いて15分。心なしか南からいつも吹いて来る風に潮の香りがする。
 建物に関係する職種では、設計者と不動産屋さんはどちらかというと対角線上の一番遠い位置関係だと感じていた。それは、建物をできるだけ安く手に入れて高く売りたいという思いの人と出来るだけ予算を増やして作りたいという思いの人は、どこまでいっても交わることのない関係だと思っていた。
 3月の半ば神戸の西、加古川の不動産屋さんから一本のメールが何の前触れもなく(もともと前触れのあるメールなんて存在しないだろうけど、それぐらい意表をついたメールだったから)届き、返信するも直ぐに予算面でプロジェクト自体が暗礁に乗り上げた。両者の位置関係からするとこれまでほとんどの場合、暗礁に乗り上げた船は、そのまま引き返すのだが今回は違っていた。暗礁に乗り上げた船は、船長(この場合、不動産屋さんの長)が自ら船を降り周りを巻き込みながらなんとか再度海原へと出て行くことになる。
 バブルの全盛期に建てられた集合住宅の二階の窓からは、鏡池という名の大きなため池の水面に海風に吹かれて流れる雲が写り込んでいるのが見える。効率良く建てられた建物は、水周りの配管スペースが極小に抑えられ大胆にレイアウトの変更をするには、解体して実測してみなければ真の可能性が見えてこなかった。リビングやダイニング、キッチンといった比較的パブリックなゾーンとプライベート性の高い寝室に付随する形で洗面脱衣室、浴室を配している。また、大型のクローゼットの家具を移動させることで寝室ゾーンの区画を増やすことも三面開口がある住戸だからこそできることだ。
 現場が始まると、当初の予算枠で決まっていた仕様をどんどん見直すことになる。おそらく現場での対話が対角線上の二点間の距離を短くさせたのか、それとも少し設計者寄りの航路をたどることを船長が選択したのかはわからない。

 現場の帰り風上に向かって進んでみると、思いのほか海は近かった。