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Oct./2006 
 何の本を買いに行ったのかよく覚えていないが、神戸で一番大きな書店のレジカウンターで初めてその人に遇った。土地の選定から始めていたTKHの奥さんのお姉さん。姉ですと紹介された時には、まさかこんな展開になるとは思っていなかった。
 TKHのクライアントが2年近く続けていた土地探しからようやく開放されるのと同時に、そのお姉さん夫妻も斜め前の土地を手に入れることに成功した。家を建てるきっかけは様々だと思う。子供に関わることであったり、現在の住まいとの関わりであったり。しかし、土地が見つかったから家を建てるというのもあることを知った。

 土地が見つかって、現在住んでいる家も売れてしまうと、スタートからゴールまでの期間が自ずと決まってくる。いつものペースで作業を進めるわけにはいかない。
 大きな4WDの車と熱帯魚、ご主人の仕事関係の書籍の数々。休みの日には、七輪で魚を焼く。将来はフラワーアレンジメント教室を開きたいし、犬も飼いたい。静かな寝室。家に対しての希望はその程度だというが、敷地は20坪を切っている。色々なことを兼ね備えた小粒でぴりりと辛い家を目指す。 

 少し時間を貰ったのちに提案した基本設計は、それらの希望を叶えるための専用の空間ではなく、色々なことを兼用し、工夫をしながら使うという事で叶える計画。プレゼンテーションを終えた我々に、クライアントから質問「山下さんは、何を大切にして設計していますか?」と。質問の回答をした後、クライアントから「では、この計画で進めましょう」と返事をもらった。

 ほぼ真南に向いた5.3m×10.9mの長方形の土地。そこに大小2つの正方形を配置。2つの正方形の建物にかかる屋根は、同じ勾配で折れ曲がり白い外壁にふわりと乗っている。
 大理石の粉を混ぜた材料を左官で仕上げたその壁は、どことなく蔵のように見えどっしりと静かに建っている。一方、建物の中は色々と薬味が効いていて動きがある。

 薬味は、効き過ぎても効かなすぎても良くない。クライアントからの質問への回答は、そのさじ加減がちょうど良かったのかもしれない。