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Feb./2007 
   クライアントは、間口3m 奥行き30mの敷地の相談を建材の営業で我々の事務所に立ち寄った折りに、極々自然に持ち込んだ。自然に持ち込まれた相談に我々は、面白そうだと答えた。その数週間後にその敷地を購入したことをまた営業で立ち寄った際に告げていった。そのとき営業マンは、まだ28歳の独身だった。 
 独身で実家から通勤をしている彼には、生活臭さは無く、我々の所に持ち込まれる要望は、どちらかというとここで行われるであろう生活とは全く関係のない、この建物外にまつわることがほとんどだった。夏は毎週のようにキャンプに行ったり、草野球チームのレギュラーとして早朝から白球を追いかけたりしていると。
 もちろん、新しい家が出来てもそれは続けたいし、それから、今年はカヌーにトライしてみたい等々。家に関しては、細かい要望を打ち立てることはなかった。我々の最初の提案に対して、予算を増やすので家全体のボリュームをもう少し増やして欲しいというのが家に関する唯一要望だった気がする。

 建物は、ほぼ総2階の切妻屋根を持つ木造2階建。もちろん敷地に沿って細長くなる。建物正面にぽっかり空いた巾90センチほどの孔が入り口だが、その先は外部なのか内部なのか分からないような曖昧な部分。外物置や、石の庭などが続く。玄関扉を開けると細長い畳一帖分の土間。その土間には細長い白いタイルがピチッと几帳面に貼られている。
 単純に長手方向に向かって進むのではなく、短手方向に体の向きを何度も変えながら少しずつ奥に進んでいく。91センチピッチ、24スパンで105角の柱が立つ。その柱と2階の床梁、屋根の登り梁が全て室内で見えている。それが赤いと伏見稲荷の鳥居なのだが、その部分が白く染色されているので鯨の骨の標本のようだ。 
 当初この敷地を購入したことを彼の周囲は、あまり良く思っていなかった。もちろん、面白いと答えた我々の事も含めて。事前相談に訪れた役所でも計画敷地を道路と勘違いされた。常識的には、いくら魅力的な土地でも二の足を踏んでしまう。しかし、徐々に出来上がっていく過程で広さや高さなどの感覚が明確になり、彼を応援する人は増えていった。