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Feb./2015
 既存の扉を取り外し、耐熱ガラスで構成された複層ガラスを背に、多面体の石で作られた暖炉を設置。トウモロコシを原料としたバイオエタノールで燃焼する炎は、優しくその場を柑子色に染める。ゆらゆらと揺れるたび不確かに動く影絵と、シャボンの小さな泡が弾けるようなかすかな音がこれまでとはまた違う種類の豊かな時間をもたらしてくれる。

  

Nov./2013
 増えすぎた趣味の為に新たな屋根をかけることに。褐返色の亜鉛メッキリン酸処理を施した角材で高さの異なる矩形の頂点を結び、等差数列で配分された交点をさらに結ぶ。傾きの異なる角材ですべて異なった形に分割された矩形を一つ一つポリカーボネートで埋めていく。

 

Jul./2010 
 「御影石のくずれ積み」に「カイヅカイブキ」と言えば、六甲から芦屋にかけて存在した屋敷町の長く延びる屋敷塀の特徴を指したもの。特にそれが多く残る神戸 東灘区のこの辺りは、古くから住所とは異なる愛称で呼ばれ、今でも最寄り駅でタクシーの運転手にその愛称を伝えればここにたどり着く。 

 クライアントと初めて会ったのは、建物が出来上がる5年ほど前の事。知人の紹介で事務所に来られ、その後一緒に自宅に伺った。訪れた自宅には、両開きの玄関扉の先に、瑠璃色のタイルの玄関床、チークのパーケットの玄関ホール、大きな吹き抜けにL字型に曲がった階段、通された応接間には白い刺繍の施されたカバーの掛かったソファーとオニキスのマントルピースがあった。
 それから3ヶ月後。A3用紙1枚にまとめたアイディアを持ってその自宅を再び訪れた。しばらくの沈黙の後、「ではこれで進めてください」と。その後、皆で食事に出かけたことは、良く覚えている。それから作業を進めて行く度に色々な所へ食事に行った。食事の席では家についての話はほとんどなく、クライアントからは、いつも「どうですか」という問いしか無かった。「順調に楽しんでいます」と。その答えもいつも、同じだった。
  それから、3年。漸く想いがまとまり着工する事になった。

 建物は、3次元で応力解析した車のようなモノコックボディーの鉄筋コンクリート構造。外装は、コンクリート打設時に断熱材を打ち込む外断熱工法に御影石に近い色調のタイル貼りを採用。開口部の小庇を兼ねたスチール製の外額縁と最上部の笠木とのコントラストが建物を引き締める。
 表面を釿で加工した後、薄く染められた両内開き玄関扉を開けると、正面に大きな庵治石が積まれた壁が有る。高さ6mの吹き抜けのダイニングにガラスモザイクのタイルが施されたプールの水面に反射した太陽の光が零れてくる。リビングの天井に埋め込まれたオリジナルの照明器具が照らすソファーに腰掛けると、傾斜したミラー張りの天井のホームバーがわずかに見える。
 昔の家にあった庭石を飛び石と沓脱石として利用し、離れとして設えた和室へ導く。方形の天井に聚楽の壁が曲線を描いて巻き上げていく。その上部には円形のジャグジーとガラス張りのシャワールームが有る。

 設計に3年、解体に半年、施工に1年半の時間を費やした。無数にある可能性の中から採用した素材と色の種類は、数を数え切れない。それらの組み合わせがクライアントと面白いように意見が合ったことは、今もよく覚えている。